少額勝訴における証拠とは?

証拠とは何でしょうか。テレビやラジオ、推理小説の中などでも大変よく耳にする(目にする)言葉で、「証拠」という言葉自体は、私たちの身近に存在しています。今更説明するまでもないだろうと思われるかも知れれませんが、少し説明します。

訴訟に置いての証拠の役目は、起こった事実が実際にあったかどうかを裁判所に認定させる資料です。訴訟で争うのは2つです。主張する事実があったかどうかの「事実問題」と、法律の解釈や適用を争う「法律問題」です。

法律問題に関しては、専門である裁判官に委ねるべき性格のものであり、私たち素人の出る幕はありません(1人で裁判を起こすのであれば当サイト程度の前知識は必要ですが)。

事実問題では、主張している事実が存在したかどうかを裏付ける必要があります。原告や被告の「こういった事がありました」という主張は、あくまでも主張であって、この時点では事実でも何でもありません。それを裏付けるために「証拠」「証人」が重要なカギになるのです。

実は、「証拠=事実」でないことも覚えて置いてください。有効な証拠でも、それは主張を裏付けるための資料であって、事実にはなり得ません。例えば被告にお金を貸した行為が実際にあっ
たとか、1ヶ月パートで働いたが給料が振り込まれなかったなどという実際に起こったことが事実であり、「証拠」は、それを裏付ける(立証する)ための資料という位置づけになります。

ただし、訴訟に置いて証拠は重要な位置を占めることは間違いありません。裁判を有利に展開するためには、少しでも有効な資料を集める必要が出てきます。特に少額訴訟などの金銭請求に関する訴訟では、証拠がなければ裁判が立ちゆかないといってもいいでしょう。

しかし、友達や親しい知人に「来月には返すからと」言われると、それを信じて口約束でお金を貸してしまったり、商売上長い間のおなじみさん同士では、注文書や契約書、請書などを作成しないで品物の売買を行うケースも少なくありません。
この様な状況でトラブルになった場合、いざ訴訟を起こそうと思っても手元に証拠となるものが何もありません。その場合そうしたらいいのでしょうか。

証拠がなければ作ればいい!証拠を作る方法

契約書などの証拠がなければ証拠を作ればいいんです。証拠は領収書、念書、覚え書き、手紙、メモなど、事実の裏付けになるものなら何でも証拠になります。(ただし、証拠が見あたらないからと偽造をするようなことだけはしないでください。逆に罪に問われてしまいます。)

1 手紙

例えば、訴訟を起こすことをにおわせず、相手に手紙を出す方法があります。A4用紙の上半分に、返済についてどう考えているのか丁寧に書き入れ、出来れば1ヶ月以内に(明日とか明後日のような近々な期限は反発心を引き起こします)返済してもらいたいと記入し、下半分にその回答を書き入れる欄を作り、名前と印鑑を押す欄も作ります。そして、返信用封筒を同封します。返信用封筒には事前に切手を貼り、自分の住所を記入して、相手は、書いて、ポストに投函するだけの状態にしておきます。

なぜ、ここまで丁寧にするかというと、人間の行動心理学からきていますが、人には痛みから逃
れる性質があるからです。ですから、出来れば「このまま済んでくれればいい」と思っている相手の所に手紙が来て、返事を書いて、封筒を買って、切手を貼って、住所を書いて、ポストに投函するという一連の行為(この場合の痛みや苦しみ)は、行動を起こさせるための大きな妨げになります。
とても面倒に思えて、やらなくなるんです。

ビジネスの現場では、こういった一連の行動を出来るだけ少なくしてあげることで、お客様とのアポイントメントの確率を上げていきます。ちょっとしたテクニックで、ここでは関係がないので省きます。
1ヶ月以内と長めの期間を設けたのは、数字を入れることによって、相手の脳に入りやすくするためと、期間を引き延ばせるという安心感を与えるためです。ここでは、訴訟に関することは、おくびにも出しては行けません。
これが返信されてくるようなら、この書面は十分な証拠になります。何しろ、相手は自筆で書いて、印鑑まで押しているんですから。

2 録音

あるいは、電話をしたり、その場所に足を運んで話したりした内容を、ボイスレコーダーで録音するという事でも、証拠となり得ます。今は誰もが携帯電話を持っています。携帯電話にはボイスレコーダー機能が付いたものが多くあります。新たにボイスレコーダーを購入しなくても、携帯電話のボイスレコーダー機能をON にして、面会して話した内容を録音することは、それほど難しいことではありません。

この様に、証拠がなくても様々な方法で証拠を作り出すことが出来ます。

私の場合は、最初は訴訟をするつもりがなかったのと、証拠になるもの(貸し出し依頼のメールや宅急便の受領書など)があったので督促状などの詰めが甘かったと、今になって反省しています。
証拠がなくても知恵を絞れば証拠は作れます。

3 内容証明

こちらも重要な証拠になりますが、これは「訴訟に入るぞ」という意思表示に近いものがありますので、先に記述したことを行ってからでも遅くありません。ましてやいきなり、前交渉もなしに内容証明を出すというのは、お互いの中を険悪にすることはあっても、良い方向に導くものではありません。

書面でも電話でも対面でもいいので、必ず相手に対して自分の主張を伝えてから、内容証明に移ったほうがいいと思います。
また、内容証明を出すだけで効果がある場合もありますが、借りたものを返さないで、何くわぬ顔をして過ごしているような相手には、あまり効果が期待できないと思ったほうがいいでしょう。
内容証明は、証拠の一つと捉えておいてください。

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