訴訟を起こすために裁判所に電話をかけてみた

訴訟の選択に、かなり手間を取ってしまいましたが、ひとまず訴訟の選択は終わりました。ただ、「どこの簡易裁判所に訴訟を起こせばいいのか」ということと「少額訴訟でいいのか」という2つの疑問は残ったままです。
自分の中では決定したものの、裁判所へ出向いたらこの決定に不備があり、もう一度出直さなけ
ればならなくなったら、二度手間になってしまいます。もしも訴訟の選択をもう一度やり直すなどという事になったら、気持ちが萎えて、再び休みたい脳みその餌食になってしまうかも知れません。
そこで、確認のため、裁判所に電話を入れてみることにしました。
 
電話を掛けると、最初に受付の女性が電話に出ます。受付は大変ぶっきらぼうに「はい、裁判所です。」と言うだけです。
ほとんど感情がなく、裁判所という仕事柄からなのか、威圧的ですらあります。
こちらは初めてで、なおかつ素人なので、「すいません。訴訟についてお伺いしたいんですが」と低姿勢に聞いても、すぐさま「何の訴訟ですか」とこれも威圧的に返してきます。

しかしここで怯(ひる)んではいけません。ここで怯んで「いえ、やっぱり結構です」などと諦めては、何も前に進みません。
「少額訴訟ついてお伺いしたいんですが・・・」と切り出すと間髪を入れずに「担当の部署に回します」と、まるでいやいや仕事をしているのではないかと思える言い方で電話を回します。

ここを我慢すれば、道が開けます。決して腹を立てたり、ムッとしたりしないように。ここで腹を立てたまま担当者と話すと、親切にしてもらえない可能性があります。

少額訴訟係に電話で聞いてみた

担当の部署は「少額訴訟係」という1つの独立した部署があり、そこが少額訴訟を担当しています。
どのくらいの規模で、一人が何件ぐらいの訴訟を受け持っているのかは分かりません。
愛想の悪い受付を乗り切った安堵感と、これからどうすればいいのかという不安を胸に、「どこの簡易裁判所に訴訟を起こせばいいのか」「少額訴訟でいいのか」という2つの疑問をストレートに聞いてみました。

担当者は、「裁判所書記官」という肩書きを持った人です。以下、書記官と呼びます。
書記官は受付とは打って変わり、とても穏和な印象を受ける話し方をします。しかし、おもわぬ所に落とし穴がありました。
まずは、どういったことで訴訟を起こすに至ったのか、大まかな経緯を話す必要があります。今回の場合は単純な経緯だったので、数分で話し終え、さて、質問です。

どこの簡易裁判所に訴えを起こすべきか。
これは、事務所が東京であるなら、東京の簡易裁判所で起こすことで間違いありませんでした。
もう一つ、少額訴訟でいいかどうかです。すると、こんな答えが返ってきました。
「私たちは、手続きや揃える物などの質問にはお答えできますが、どういった訴訟を起こしたら効果的か、また、この事案であれば、この訴訟に当てはまるというようなアドバイスはできません。そういった事は、法律相談所に聞いてみてください。」と。

どんな訴訟で裁判を起こすかは裁判所は教えてくれない

そうです。落とし穴はここにありました。起こす訴訟の種類は、起こす本人が自分で決める事になっています。

裁判所が、「そういった件なら、これこれの訴訟に当てはまりますよ」とか「こんな訴訟が適当ですよ」とアドバイスをしてはいけない決まりになっています。
これを「処分権主義」といいます。

また難しい言葉が出てきました。専門書はこの様な言葉で埋め尽くされています。本書ではでき
るだけ難しい専門用語を使わないようにしています。なぜなら、専門用語が羅列してあると、途中でくじけてしまうからです。
行動を起こす前に嫌になってしまいます。専門家になるために勉強するならまだしも、とても素人の「読み物」にはなり得ません。

しかし、これは覚えておいたほうがいいかなと思う用語だけは載せました。そのため時々専門用語が入りますが、そのあたりは不要なら読み飛ばしてください。
処分権主義とは、訴訟手続きの開始や、その審判範囲の特定、訴訟終結などについては、訴訟当事者の自立的な判断による決定権限とその自己責任を認め、裁判所はその決定に拘束されるという原則です。

簡単に言うと、「訴訟を起こすのも、止めるのも、本人次第。どんな訴訟を起こすか、結果どうしてほしいのかも本人が決める」ということです。
裁判所はあくまでも受け身だということです。これを覚えておいてください。水戸の黄門様のように、自ら乗り出して裁判を開始し、「すこし懲らしめてやりなさい」ということはありません。

裁判所は、訴えがあって初めて動き始めます。そして、訴えてきた人と、訴えられた人双方の意見を聞いて、法的に妥当性のある判決を出す機関なのです。
これは、「自らの財産の処分(処遇)は各人の自由」という前提から来ています。貸した物や貸したお金、壊された物や取られた物など、全て本人の財産に関わる物についてですが、それをどうするかは本人の自由だという原則です。
どんな訴訟で訴えるかは、裁判所に聞いても教えてくれません。自分で決めてください。

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